友が友を呼ぶ、広がる人の輪。
カフェ『アルボールかわかみ』
奈良県川上村大和上市駅から車で走らせること、およそ20分。川上村の玄関口にある『アルボールかわかみ』は、村で子育てしてきた3人のお母さん(大田さん、中平さん、小林さん)が立ち上げたカフェだ。まずは昼食、定食うどん(きつね・月見)を頂く。
肌寒さを感じるこの季節にぴったりなうどんは、体を温めてくれる。
草餅ならぬ葉巻飯。
「喜んでくれてね。こんなん東京にないわぁって毎回食べたいって言ってくれる。」
と、食堂での勤務経験のある中平さんが話す。
「限定だからね。東京まで箱で送るんだよ。」
(柿の葉寿司ファンはすでにいた…!)
それでいてその東京の人は、また友人を連れてカフェまで再訪するそう。なので、どのようなお客様が来るのかという質問には、
「多種多様でございます。」
と大田さんがサッと素早く答えて教えてくれた。村内にある温泉<杉の湯>で23年間接客をしていたその歴史は侮れない。常連さんはいますかと聞くと、
「いるわ、いるいる。一日に2回来るお客さんいる。コーヒーだけ頼んで、また来る!」
常連も、リピーターも多い。村外だったとしても来客する。人が絶えることはないという。
ここまで読まれたらもうお分かりかもしれないが、この3人には一つの法則があるのだ。職場が同じ。杉の湯勤務経験がある。お子さんらが同級生だった。聞いていくうちに何かと共通点が多い。
【法則って何だ?】
そう、この3人の名字の頭文字を取ると…
小・中・大
林・平・田
そう!大→中→小になっているのだ。大田さんがそう言うと、インタビュー参加者全員どっと笑う。
いやぁ、おもしろい。話が本当におもしろい。
…でも
…やっぱり
…カフェを経営するって大変なんじゃないか。
と感じる人もいるだろう。開店起業相談へ川上村役場に行くと、役場は乗り気満々だったらしく、いざ始めてからあっという間に毎日が過ぎ去っていき開店から5年が経った。
中平さんはカフェを始める前は、
「年やし、足も痛いし、3人って割と難しいやんか。だからうまくいくかなぁ…って。」
と不安と心配を抱いていたという。だが今については
「まわりに動かされています。」
発起人であった大田さんは
「借金したらあかんし、家賃も払わなあかんし、がんばらなきゃ。じっとしてたらあかん。できることから考えていった。」
開店当初は軽食のみの提供だったが、開店から5年経つ今ではケータリングまで対応できるほどになり、料理の幅が広がっていった。
愛情こもってます、そしておなかいっぱいになります。
そして小林さんは言う。
「あせっても仕方がない。笑いがあってぼちぼちです。マイナスはありません。3人はどこ行けど【協同】です。」
「そういう人の輪で生かさせてくれているんだからね。」
大田さんも同じく、
「そういう積み重ねで生きてます。」と。
私は素敵な言葉だと思うし、素敵な心掛けだと思います。下を向かないで、上を向く。
定食以外にもカレーライスや焼きそば、牛丼なども用意している。そしてこのカフェ含む、川上村にある6つのお食事処では、ダムをモチーフにした「ダムカレー」をメニューの中の1品としている。川上村にある大滝ダムと大迫ダムがモチーフになっているって、なんだかおもしろい。
「ウチのが一番おいしいからね!」
とのことなので、これは堪能しなければあかんようですよ。
そう、だからここにもし来てくれるのなら、
「おばあちゃん言ったらあかん。ばあちゃんと言ってー!」と3人が言っているので。
ばあちゃん!って呼んで。
そして会いに来てくださいね。待ってます。
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